奪われたものと、取り戻せるもの──性被害後の人生を支えるために
性被害の深いダメージと、支援する私たちにできる「本当の寄り添い」とは?
奪われたものと、取り戻せるもの──性被害後の人生を支えるために
性被害とは——人生を一瞬で断絶させる衝撃
性被害は、単なる「一時的な出来事」ではありません。
それは、被害者の人生を一瞬で奈落の底へと突き落とし、心と身体、そして未来にわたって深い暗い影を落とし続ける、極めて重大な人権侵害であり、決して許されない犯罪です。
性被害に遭った瞬間、それまでの人生の流れは突然断ち切られます。
希望、夢、人との信頼、自分自身への信頼――そうした大切なものが、まるで手からこぼれ落ちるように、音もなく失われていきます。
何もかもが変わってしまったと感じるその絶望は、本人にしか分からないほど深く、そして静かに人生を蝕んでいきます。
この深刻さを、私たちは決して軽く扱ってはいけません。
性被害後に起こる「目に見えない傷」と影響
性被害を受けた人が負うダメージは、身体だけではありません。
むしろ、目には見えない心の傷のほうが、ずっと深く、長く苦しめることが多いのです。
たとえば、
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PTSD(心的外傷後ストレス障害)
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うつ病、パニック障害、不安障害
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不眠、過食・拒食などの摂食障害
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自傷行為、希死念慮
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対人恐怖、人間不信
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性への嫌悪や恐怖
これらの症状が、何年にもわたって本人を苦しめます。
さらに、進学、就職、恋愛、結婚、家庭生活といった本来であれば幸福を感じられる人生のステージでも、性被害の影響は無意識に影を落とし続けることがあります。
「どうせ自分は幸せになれない」
「自分には価値がない」
「誰も本当に自分を大切にしてくれない」
そうした深い自己否定感が、人生の選択肢を奪い、幸福を遠ざけてしまうのです。
被害者にとって支えになる「正しい関わり方」とは
では、周囲にいる私たちができることは何でしょうか。
「変わらない接し方」の大切さ——壊れ物扱いはしない
性被害を受けた人は、自分自身を「壊れてしまった存在」だと感じることがあります。
だからこそ、周囲が過剰に気を遣い、壊れ物のように扱うことは、かえって孤独感や「もう自分は普通には戻れない」という思いを強めてしまう危険性があります。
被害の前と同じように、自然体で接すること。
冗談を言ってもいいし、何気ない日常会話も交わしていい。
相手を「特別な存在」として隔離せず、
一人の尊厳ある人間として、これまでの人生と連続する存在として扱うことが、何よりの支えになります。
無理に話させない、無理に励まさない
性被害について、本人が話したくないときは、無理に聞き出さないでください。
また、軽々しく「早く忘れたほうがいいよ」などと励ますことも、かえって傷を深めます。
被害者は、自分のタイミングで、自分のペースで、話したいことを話します。
周囲は「いつでも聞く準備はあるよ」というスタンスで寄り添い、本人のペースを最優先することが大切です。
「あなたのせいじゃない」を伝え続ける
性被害の加害者は100%加害者が悪いのであり、被害者には何の落ち度もありません。
にもかかわらず、多くの被害者は「自分にも隙があったのでは」「自分が悪かったのでは」と自分を責めてしまいます。
だからこそ、「あなたのせいじゃない」という言葉を、何度でも、何度でも伝えてください。
被害者自身がその言葉を心の底から信じられるようになるまで、焦らずに支えていきましょう。
回復への道を信じて──あなたができること
性被害による傷は、深く、長いものです。
でも、絶対に希望を失わないでほしいのです。
回復には時間がかかりますが、
適切な支援と、安全な人間関係と、少しずつ積み重なる「小さな成功体験」が、
必ず心の回復を促してくれます。
被害者自身が「もう一度、自分の人生を取り戻したい」と願ったとき、
隣に「あなたを信じているよ」と寄り添う人がいるかどうかが、回復の大きな鍵になります。
支援する側に完璧さは求められません。
専門家であっても、家族や友人であっても、
大切なのは「寄り添おうとする気持ち」「安心できる存在であろうとする姿勢」です。
【まとめ】
性被害の痛みは、誰か一人が背負いきれるものではありません。
だからこそ、関心を持ってくださったあなたの存在は、かけがえのないものです。
あなたが、
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正しい知識を持ち、
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温かい心で寄り添い、
-
被害者の尊厳を守ろうとしてくれること、
それ自体が、たとえどんなに小さなことでも、回復への大きな光になります。
そしてもし、この記事を読んで、
「自分にできる支援の仕方が知りたい」
「大切な人を支えたい」
「自分自身が回復したい」
そんな想いを持たれたなら、どうか、私にご相談ください。
私は性暴力サバイバーカウンセラーとして、
あなたや、あなたの大切な人の回復まで、
誠実に、寄り添いながら、しっかりサポートしていきます。
一人で抱え込まないでください。
必ず、一緒に未来を取り戻す道があります。
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