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自信って、なんだろう?
―「自分との約束」を守ることが、本当の自信につながる理由―

自己肯定感が低いと感じていませんか?


第1章 「自信がない」とは、どういう状態なのか?


「私なんかを褒めてくれるなんて、きっと社交辞令だよね。」

「誘ってくれたのは、気を遣ってくれただけなんじゃないかな。」

「優しくしてくれるのは、何か裏があるのかもしれない。」

そんなふうに考えてしまったことはありませんか?


もちろん、今の世の中には詐欺や悪質な勧誘、ネットワークビジネスなど、人の善意を利用する出来事もあります。ですから、何でもかんでも信じればいいという話ではありません。

でも、その一方で、本当の好意まで受け取れなくなってしまうとしたら、とてももったいないことだと思うのです。


せっかく誰かが「ありがとう」と言ってくれたのに、

「気を遣ってくれただけ。」

せっかく「すごいね」と褒めてもらえたのに、

「そんなことないです。」

せっかく「一緒にいると楽しい」と言ってもらえたのに、

「お世辞ですよ。」

そんなふうに相手の言葉を打ち消してしまう。


実はそれは、自分を傷つけるだけではありません。

相手が勇気を出して伝えてくれた好意や感謝の気持ちまで、否定してしまうことにもつながります。

もちろん、相手の言葉を疑ってしまう本人に悪気があるわけではありません。

ただ、その人の心の中には、「自分が褒められるはずがない」「自分が好かれるはずがない」という思い込みがあるために、相手の言葉をそのまま受け取ることができないのです。


私はカウンセリングをしている中で、自信のない方とたくさん出会ってきました。

「私には能力がありません。」

「私はつまらない人間です。」

「どうせ私なんて好かれません。」

「私が決めても、きっと失敗します。」

そんな言葉を、本当にたくさん耳にします。


実は、娘のパートナーもそうでした。

子どもの頃から親に否定され、馬鹿にされる言葉を浴び続けてきたことで、

「私は褒められるような人じゃない。」

「私なんかが好かれるはずがない。」

そんな思い込みを、心の奥深くに持つようになっていました。

だから、こちらが心から「すごいね」と伝えても、

「そんなことないです。」

「私なんて全然です。」

と、素直に受け取ることができません。


これは決して娘のパートナーだけではありません。

私のクライアントさんの中にも、

「私は自分で決める力がない。」

「誰かの言う通りにした方が失敗しない。」

そう思い込んで、自分の気持ちを押し込めながら生きてきた方がたくさんいます。

本当は嫌なのに断れない。

本当は違うと思っているのに、周りの意見を優先してしまう。

その結果、自分の本当の気持ちが分からなくなり、ストレスを抱え続け、心や身体に不調が現れてしまうことも少なくありません。


でも、自信がない人が信じられないのは、他人の言葉だけではありません。

実は、一番信じられないのは、自分自身なのです。


例えば、何か一つのことができたとき。

自信を育てるのが上手な人は、

「私、よく頑張った!」

「今日はちゃんとできた!」

そんなふうに、自分の努力を素直に認めることができます。

中には、

「今日も元気に目が覚めた!」

「今日も一日生きている。それだけでも十分価値がある。」

そんなふうに、自分に優しい言葉をかけられる人もいます。

もちろん、これだけを聞くと少し大げさに感じる方もいるかもしれません。

でも、こういう人たちは、自分の「できたこと」に目を向ける習慣を持っているのです。


一方、自信がない人はどうでしょう。

「このくらい、みんなやっている。」

「こんなの大したことじゃない。」

「もっとできる人はいっぱいいる。」

せっかく自分が頑張ったことまで、自分自身で打ち消してしまいます。

つまり、他人から褒められても受け取れない。

そして、自分で自分を認めることもできない。

これでは、自信が育つチャンスを、自分自身で何度も手放してしまっていることになります。

私は、それはとてももったいないことだと思うのです。


では、なぜ私たちは、ここまで自分を信じられなくなってしまうのでしょうか。

NLPでは、このような「自分はこういう人間だ」「世の中はこういうものだ」と無意識に信じ込んでいる考え方を『ビリーフ(Belief)』と呼びます。

日本語では「信念」や「思い込み」と訳されます。

例えば、

「私は能力がない。」

「私は価値がない。」

「私は愛されない。」

「私は嫌われる人間だ。」

「私は自分で決めることができない。」

こうした考えは、事実ではありません。

あくまでも、その人が育ってきた環境や経験の中で、「そう信じるようになった」ということです。


そして、自信がない方の中は、自分のことは信じられないのに、このようなネガティブなビリーフは100%信じている、という方が多いのです。

ですから、人から褒められたり、認められたりすると、

「いや、それは違う。」

「たまたまだよ。」

「気を遣ってくれただけ。」

と、良い評価の方を疑ってしまうのです。


もし、あなたがここまで読んで、「これ、私のことかもしれない」と感じたなら、安心してください。

そのビリーフは、生まれつき持っていたものではありません。

人生のどこかで身につけたものなら、人生のこれから先で書き換えていくこともできます。


では、そのために必要な「自信」とは、一体何なのでしょうか。

次の章では、私が考える「本当の自信」について、お話ししたいと思います。

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第2章 私がたどり着いた「本当の自信」


よく自己啓発本などでは、

「根拠のない自信こそ強い。」

「まずは自分を信じよう。」

そんな言葉を見かけます。

もちろん、その言葉に勇気づけられる人もいるでしょう。

でも私は、この考え方には少し危うさもあると思っています。


実は私自身、若い頃はどちらかというと「根拠のない自信」を持っているタイプでした。

「私はすごい!」

「私は正しい。」

そんな感覚が、いつもどこかにありました。

でも、今振り返ると、それは本当の意味での自信ではなかったように思います。

どこかで、「自分は人よりできる」「自分は特別だ」という感覚も混ざっていました。

今思えば、それは優生思想をはらんだ、とても幼稚な自信だったと思います。

本当の自信ではなく、根拠のない思い込み。

だからこそ、とても脆かったのです。


根拠のない自信には、一つ弱点があります。

積み重ねがないことです。

積み重ねがないものは、大きな出来事が起きた瞬間に、一気に崩れてしまいます。


私の場合、それは突然やってきました。

ある日、身体中に強い痛みが走り、起き上がることすらできなくなったのです。

身体表現性疼痛障害でした。

それまで普通にできていたことが、一つひとつできなくなっていく。

歩くこと。

家事をすること。

子どもを抱きしめること。

未来を思い描くこと。

すべてを失ったような感覚でした。

そこから約7年間、私はうつ病にも苦しみました。

未来は真っ暗。

「もう、この苦しみから解放される方法は、死ぬことしかないのではないか。」

そんなことまで考えるようになっていました。


あの頃の私は、自分をまったく信じることができませんでした。

「私はダメな人間だ。」

「私は何もできない。」

「みんなに迷惑ばかりかけている。」

そんな言葉が、毎日頭の中をぐるぐる回っていました。

今振り返れば、これはまさに第1章でお話ししたネガティブなビリーフだったのです。

私は「ダメな人間」だったのではありません。

ただ、「私はダメな人間だ」と信じ込んでいただけだったのです。


そんな私を変えてくれたのが、心理学との出会いでした。

心理学を学ぶ中で、私はあることに気づきました。

明るい未来を信じるためには、まず「今の自分」を信じられなければいけない

未来の自分を信じることよりも、今日の自分を信じることの方が、ずっと大切だったのです。


では、どうすれば自分を信じられるようになるのか。

その答えを教えてくれたのが、NLPのトレーナーでした。

講座の中で、こんな質問を投げかけられたのです。

「自分との約束が守れない人は、自分を信頼できません。そんな人が、他人から信頼されますか?」

その瞬間、私は雷に打たれたような衝撃を受けました。

「あぁ……そうか。」

私が自信を失っていたのは、病気だからでもありません。

能力がないからでもありません。

自分との約束を守れなくなっていたからなんだ。

そう気づいたのです。


思い返せば、毎日こんなことの繰り返しでした。

「明日は部屋を片付けよう。」

でも、できない。

「明日はお酒を飲まないようにしよう。」

でも、できない。

「明日は散歩に行こう。」

でも、できない。

そのたびに私は、自分で自分に

「やっぱり私はダメだ。」

という証拠を突きつけていました。


つまり私は毎日、

「私は自分との約束を守れない人間だ」

という証拠を、自分自身に積み重ね続けていたのです。

これでは、自分を信頼できるはずがありません。

そして、自分を信頼できない人が、自信を持てるはずもありません。


そこで私は、自分との約束を変えることにしました。

大きな目標を立てることをやめたのです。

寝る前に日記を開いて、

「明日の自分との約束」を一つだけ書く。

それも、「これなら絶対にできる」と思えるくらい小さな約束です。

例えば、

「朝起きたらカーテンを開ける。」

「朝お白湯を一杯飲む。」

「5分だけ散歩する。」

「本を1ページ読む。」

そんなことでいい。

そして、約束を守れた夜には、日記に「できた」と書き、自分を思い切り褒めました。

「今日も約束を守れたね。」

「よく頑張ったね。」

最初は照れくさくて、こんなことで自信なんてつくのだろうかと思いました。

でも、不思議なことに、それを繰り返していくうちに、少しずつ心が変わっていったのです。

「私は約束を守れる人なんだ。」

そんな小さな実感が、一つ、また一つと積み重なっていきました。


そして私は気づいたのです。

自信とは、「私はすごい人間だ。」と思うことではありません。

私は私との約束を守れる人間だ。」

そう信じられることなのです。

私は今でも、それが本当の自信だと思っています。

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第3章 自信は、「自分との信頼関係」で育っていく


私は、自信とは「自分との約束を守れる」という、自分への信頼だと思っています。

では、その信頼関係は、どうすれば育っていくのでしょうか?


実は、人との信頼関係とまったく同じです。

例えば、あなたにこんな友人がいたとします。

「今度、ご飯に行こう!」

そう約束したのに来ない。

「次こそは絶対に行く!」

と言ったのに、また来ない。

それが何度も続いたら、その人を信頼することは難しくなりますよね。

それと同じことを、私たちは自分自身にもしてしまっていることがあります。

「明日から部屋を片付けよう。」

「明日から運動を始めよう。」

「もうお酒は控えよう。」

「これからは早寝しよう。」

そして、できなかったとき、

「やっぱり私はダメだ。」

「また続かなかった。」

と、自分を責める。

こうして、自分との信頼関係を、自分の手で壊してしまっているのです。


だから私は、自信をつけたい人ほど、「大きな目標」を立てるよりも、「小さな約束」を守ることをおすすめしています。


NLPのトレーナーが、こんな話をしてくださいました。

「私は毎日ウォーキングをすると決めています。でも、仕事が立て込んで、どうしても時間が取れない日もあります。そんな日は、外へ出て3歩だけ歩くんです。」

私は思わず笑ってしまいました。

「3歩ですか?」

するとトレーナーは笑いながら続けました。

「そうです、3歩です。そして、『よし!今日も約束を守れた!』って、自分を思い切り褒めるんですよ。」

私はその話を聞いたとき、「なるほど!」と思いました。

多くの人は、

「30分歩けなかった。」

「今日は忙しかったから仕方ない。」

「またできなかった。」

そう考えます。

でも、本当に大切なのは、30分歩くことではありません。

自分との約束を守ること。

そこに意味があるのです。

もし忙しさを理由に何もしなければ、

「今日も守れなかった。」

という証拠が一つ増えてしまいます。

でも、3歩でも歩けば、

「今日も約束を守れた。」

という証拠になります。

同じ忙しい一日でも、自分に対する評価はまったく違うものになるのです。


忙しいことを言い訳にして何もしなかった自分を責め、自己肯定感を下げるよりも、

「今日は3歩だけだったけれど、ちゃんと約束を守れた。」

そう言って自分を褒める方が、ずっと自分に優しい生き方ではないでしょうか。


だから私は、読んでくださっているあなたにも、一つだけ提案があります。

今日の夜、寝る前に、明日の自分との約束を一つだけ決めてみてください。

それは、本当に小さなことで構いません。

・朝起きたらカーテンを開ける。

・コップ一杯の水を飲む。

・5分だけ散歩する。

・深呼吸を3回する。

・今日できたことを一つ日記に書く。

どれも3分もあればできるようなことです。

そして、その約束を守れたら、ぜひ自分に声をかけてあげてください。

「今日も約束を守れたね。」

「よく頑張ったね。」

最初は照れくさいかもしれません。

「こんなことで褒めるなんて。」

と思うかもしれません。

でも、第1章でもお話ししたように、自信がない人ほど、自分の「できたこと」を過小評価する癖があります。

「このくらい当たり前。」

「みんなやっている。」

「大したことじゃない。」

そうやって、自分の努力を自分で打ち消してしまうのです。

でも、その「当たり前」を積み重ねているからこそ、人は少しずつ成長していきます。


小さな「できた」を認めることは、甘やかすことではありません。

未来の自分との信頼関係を育てる、大切な時間なのです。

自信は、誰かに褒められて手に入るものではありません。

もちろん、人から認められることは嬉しいことです。

でも、それだけでは相手の言葉がなくなった途端、自信も揺らいでしまいます。


本当の自信とは、自分が自分を信頼できること。

「私は約束を守れる人だ。」

そう思えることです。

だから、自信は誰かにもらうものではなく、自分自身が毎日の積み重ねの中で育てていくものなのだと思います。


もし今、自信が持てずに苦しんでいるなら、どうか自分を責めないでください。

今まで、自分との信頼関係を築く方法を知らなかっただけなのです。


今日から、小さな約束を一つだけしてみませんか。

そして、それを守れたら、自分に笑顔でこう言ってあげてください。

「今日もよく頑張った。」

その小さな一歩が、半年後、一年後のあなたを支える大きな自信へと育っていくはずです。


もし一人では難しいと感じるなら、一人で抱え込まなくても大丈夫です。

長年の思い込みやネガティブなビリーフは、自分だけでは気づきにくいこともあります。

だからこそ、誰かと一緒に整理し、少しずつ書き換えていくことで、心は変わっていきます。

こころケアWithでは、カウンセリングや心理学を通して、あなたが「私は私を信じてもいい」と思えるようになるまで、一緒に伴走しています。

自信とは、「特別な誰か」になることではありません。

あなたが、あなた自身を信頼できるようになること。

そのお手伝いができたら、とても嬉しく思います。

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